"共闘イベント"の在るべき姿

はじめに

 これの続き。

 ここで書く内容は「ぼくのかんがえた、さいきょうの『きょうとう』こんてんつ」と捉えて頂いて結構なのだが、今現在の共闘イベントを楽しんでいない人には楽しむことができる可能性があり、共闘イベントを楽しんでいる人にはより楽しむことができると確信して記する。

共闘コンテンツというものは

共闘コンテンツの定義

まずコンセプトとして。「共闘コンテンツ」が「共闘」と成し得るためには、以下の3条件を満たす必要がある。

  1. プレイヤースキルを有する/プレイ期間が長い人にとって「全力を出し切らないと倒せない強敵」を用意すること。
  2. プレイヤースキルを持たない/プレイ期間が短い人にとって「力及ばずともサーバ全体に貢献できる仕組み」を用意すること。
  3. サーバに属するプレイヤー全員が、インゲームにおいて「共に闘っている」と実感できること。

非常にシンプル。これだけを達成するだけでも「共闘」として成り立つ。

共闘たる要素の一部分だけで満足するアズールレーン

 第1回目の共闘イベント「戦え!ロイヤルメイド隊(ニューカッスル入手イベント)」は、上記で述べた3つのいずれも満たせなかった。
 そればかりか、「未達成状態であるにも関わらず 100% の目標達成を到達してしまう」という不具合、ならびに「そこまで参加していたプレイヤーには報酬を配布するが、それ以外のプレイヤーには配布をしない」という不適切な対応の失態があり、共闘の意味は完全に薄れた。

 よって、第1回目の共闘イベントは、報酬や難易度の良し悪し関係なく「大失敗」である。


 第2回目の共闘イベント「特別演習 超空強襲波」は、上記3つのうち 1. を満たした。エセックスの強さは誰もが認める限りで、あれを「弱い」と言うプレイヤーはまずいない。そこは大成功した。しかし、圧倒的なまでに 2. と 3. の要素を満たさない。
 特に 2. を満たさないのはイベントとして苦行である。1. に属するプレイヤーは満足とは言わなくとも並以上の感想は持つかもしれない。が、2. に属するプレイヤー、特に「新規間もない、定着してくれるであろうプレイヤー」に対し、何もできずに終わるという惨々たる状況になる。現に戦闘した結果得られる演習ポイントは微々たるもの、どころか0Ptという「何ら貢献できない」という惨たらしさを露呈せざるを得ないプレイヤーもいた。

 よって、第2回目の共闘イベントも、第1回目に比べれば共闘の価値は若干高まったものの、やはり共闘と言えるレベルではなく、報酬や難易度の良し悪し以上に「大失敗」としか言いようがない。


 第3回目の共闘イベント、これを書いている現時点で行われている「交錯する新たな波」は、上記3つのうち 2. を満たした。少なくとも誰でも戦果を挙げることができるようにはなった。しかし、これが成功と言えるかというと、個人的視点では「NO」である。

第3回目の共闘コンテンツが「NO」と言わざるを得ない理由

エセックスイベントより盛り下がってるのでは?

 現時点で明らかに第2回目の共闘イベントよりも難易度が低く、ほとんどのプレイヤーがクリア可能な要素が存在し、報酬もそこそこあって、経験値も入手できるイベントであり、非常にユーザーに依ったイベント、というのが一般的なアズールレーンをプレイしている人の総評だ。だが、自分にとってこの共闘イベントが大成功したかと言われたら確実に「NO」である。

 理由を説明する前に、まだ現時点(2019/10/02 0:00)でサーバ全体進捗を達成していない、自分がプレイしている竹敷サーバに限った話をする。自分のサーバでは現在、こんな事態を引き起こしている。

  1. ベントランカーは平然とイベントランカーとして、100位ボード圏内に悠然と鎮座したまま走り続ける。
  2. ベントランカーではない、艦隊戦力的に上位で、第2回目までの共闘イベントでイベントランカーとして走っていた人は、軒並み「走っていない」。
  3. イベント難易度と比較してサーバ全体の進捗は「主力メンバーが引退してしまったがごとく極めて緩やか」である。

 

 加えて、面白いデータがある。

  イベント「特別演習 超空強襲波」各サーバーの段階移行日時の記録 - アズールレーン(アズレン)攻略 Wiki

と、

  イベント「交錯する新たな波」各サーバーの段階移行日時の記録 - アズールレーン(アズレン)攻略 Wiki

とを比較してみよう。

 

 現時点(2019/10/02 0:00)で「交錯する新たな波」をクリアできたサーバは7つだけしかないので確定事実でしかないが、驚くべきことに、

サーバ全体の進捗度達成に要した時間は
圧倒的に第2回目のエセックスイベント
の方が早い!

のである(自分も調べて本当にびっくりした)。この原因は何だろうか?

個人的分析:イベント本編のやり応えがない

 ハッキリ言おう。共闘イベントの前にやり応えがないのだ。

 通常海域で言えば、第8章をクリアできるレベルのKAN-SENを持つプレイヤーであればフル編成で、第11章をクリアできるレベルのKAN-SENを持つプレイヤーであれば前衛主力ともにx1で、「簡単」「普通」「難しい」はオートでクリアできてしまう。

 EXを「撃破」するのは相当の努力が必要だが、回数が制限されている。回数の制限だけならまだしも、これを無限に試すことができる「模擬戦」を用意してくれてしまっている。

 無根拠の個人的分析になるのだが、相当数の上位に位置すべきプレイヤーは、EXの模擬戦をプレイすることに傾倒してしまっている可能性はあるとは思う。模擬戦は疑似的な大型イベントのEXステージ並みの難易度は誇るし、やり応えは相当ある。現状大型イベントのEXプレイヤーは(一度減ったのが)増えつつあるし、このイベントの模擬戦に面白みを感じイベント本編を忘れて模擬戦ばっかりやって暇を潰している。

 うん、あり得なくはない。肯定的に受け入れられる性格であれば、こういうプラス思考に全振りした考え方にも頷けるのだが。

 実際のところは、良くて通常海域巡りじゃないですかね。下手すると休止してたり本当に引退してるかも。個人報酬の最大が60000Ptまであるとは言え、それが金クレーンが出るかもしれないガチャの虹箱。そこに至るまでにメンタルユニットとかあれば走る動機付けにもなりますが、ほとんどの上位プレイヤーにとっては10000PtにあるVH装甲鋼板さえ取れればあとは別に良くて、全体報酬の九三式酸素魚雷も「くれるんなら貰うけれども、今更貰ってもな」というのが精々ではなかろうか。(そう思ってないプレイヤーがどれだけサーバ内に存在しているか、という何とも良くわからないサーバ間レースをしている気分である…)

第4回目の共闘イベントをやるというのなら

もう開催するな

 正直これが一番ベストな選択。

 現在のアズールレーンの開発運営に、まともな共闘コンテンツは作れる気がしない。

敢えて開催するのだとしたら「共闘」させようぜ

 エセックスイベントでも運営にメールだしてこのザマだから、同じことを2度言ってもあまり意味がない気がするが、敢えてそれでも共闘イベントをやりたいんだったら共闘させる仕組みを作れ。 

共闘コンテンツに本当に必要なもの

自身の戦果が全体の進捗にどれほど影響を及ぼすかを視覚化する

 例えば強敵に対するレイドマッチとして簡単な仕組みを作れ、と言われたら、今みたいな「何時になったら終わりが来るのか分からない」設計にするのは愚策である。自身の戦果や現状の戦況などが、全体の進捗に対してどの程度のものかを視覚化する必要がある。

 例えば現在の全体進捗度合を示すゲージがそのまま「レイドボスの体力値」として設定され、自分が闘った結果(相手が逃走するにしても)、それまで与えたダメージがどれくらいで、サーバ全体であと何回、どのくらいの攻撃を加えればよいのかを手応えとして感じさせればそれだけで単純な周回でも回る意欲は沸く。そうでなければ沸かない。闇雲に戦略性の欠片もない「ぶん回し」だけが戦力になるという、知性の感じさせないゲームにしかならない。

 共闘イベント以外の大型小型イベントは軒並み「〇〇〇すればクリアとなる」と設定できているのに、共闘イベントだけなんでこんな目標のない、あるいは曖昧な作りにしているのか全く分からん。

自身の戦果を他者の恩恵として伝播させる

 普通に敵に対するデバフなり、サーバ全員に対するバフでもいいよ。攻撃すればするほど、プレイすればするほど「戦術的に有利になる仕組み」を作れ。

 「戦術的に不利になる仕組み」でも良いのだけど、エセックスイベントを通じてアズールレーンのプレイヤーにはそれが合わない、ということは理解できていると思うしな…。

ざっくりまとめ

 共闘イベントでも何でもそうだけど、過去の経験を生かすのが「小手先の誤魔化し」でしかない現状は、正直あまり宜しくはないと思いますよ。ユーザーの動向というビッグデータがあることでしょうし、統計に沿った経験を未来に生かしてもらいたいものですな。